はちみつ漬けショートケーキ(旧)

りちゃです ドクペ飲みたい

東京大学理科一類 [ここに合否を入力] 体験記

これはなに?

こんにちは。

春です。私がじゃないですよ、季節がです。どこかの世界では出会いと別れの季節らしいですね。Twitterに住んでいるとただのプロハラの季節です。つらい。慶應医学部とかってそんなにさらりと受かるところじゃないよね......?

もともとこういうものを書くつもりはなかったのですが、こんなツイートを見かけまして:

なるほどたしかに、受験体験記には合否によるバイアスがつきものです。後知恵って言うんですか? ミッドウェー海戦で兵装転換せずに艦上機を出しておけば......みたいなのはミリオタの悲しい妄想でしかないってやつです。しらん(しなんか違う気もする)けど。まぁともかく、文章が大してうまくもない私が書いた体験記とか需要ないでしょ...... などと思っていたところへ、「合否発表前に書き上げたらちょっとおもしろいものになるかも」という思いつきが降ってきたので、いつだかにアカウントだけつくって放置してたブログを引っ張り出してこようという機運になったわけです。

そういうことなので、開示と講評以外は合否発表前に公開して、以降一切手を加えないことにします。

東京大学に行くのかい? 贅沢な志望だねぇ

関東*1や関西*2などの大都会神学校では東京大学を志望するのに立派な理由が必要だそうですね。その上、ただの学歴厨ではないことを延々説明しないと「適当に東大行った罪」で晒し上げられてしまうと聞きます。ああ恐ろしい。田舎のこっちは進路指導の先生からしてとりあえず東大志望にしておけばいいなどと公言してますし、優秀(田舎基準)な生徒が適当に東大を志望して適当に合格してしまうことはよくある話ですし、東大生ってだけで憧れのスーパーステータスですし、正直東大を志望するのにまともな理由を求められた場面はありませんでした。簡単に言うと「なんで東大?」よりも「東大!?すごいね!!!」が何オーダーも大きい世界だってことです。

とはいえ、なにも考えてないわけではないですし、インターネットに公開する以上学歴厨だと思われては人権に関わるので、後付の理由や後付の理由などを書いていこうと思います。嘘です、後付じゃないやつも混ざってます。でも何度読み返してもまじめなものはたぶん混ざってないので、F5連打とかで世界線を変えようとはしないでください。

1. 大都会に住みたい

大都会ってよくないですか? 滅多に共感を得られないと思うんですけど、私都会の喧騒が大好きなんですよね。岡山のことじゃないですよ。音でまわりにたくさん人間がいることがわかるのが落ち着くんです。幸いにもこの体は大気汚染にアレルギーを起こしたりすることはないので、東京のど真ん中に住んでも問題はないはずです。太田川の水を飲み慣れてると東京の水がゲロ不味いのが都会であることの大きなデメリットですが、これは後述する理由により圧倒的に耐えです。

2. オタクっぽいことしたい

オタク見習いみたいなことをしばらくやっているのに、私ったらコミケにもマジカルミライにも行ったことがありません。ありえない。よく考えたらコミケのような行事は私の貧弱な体には厳しすぎる気もしますが、そういうことは上京してから考えることにします。イベント会場が北から順に札幌仙台東京名古屋大阪と来て広島だけ無視して福岡に飛ぶ現象はもうこりごりなんです。東京なら全部あるやろ!

3. 四六時中ドクペを飲みたい

四六時中ドクペを飲みたい。東京に住んでいるひとは知らないかもしれませんが、首都圏を出るとドクペ絶滅危惧種です。基本的にドン・キホーテくらいにしか置いてません。シュタインズ・ゲートを観るまで私達はドクペを知らずに生きて、観た後も暫くあるいはかなりの間実在しない創作上の飲み物だと思って生きるのです。やっぱり田舎はだめです。私は四六時中ドクペを飲みたいんだ。水道水が不味いなら四六時中ドクペを飲めばいいじゃない。

4. プロの世界に行きたい

全国行くような業績を上げられるプロではなかったし怠惰な私はそもそもそういうものに手を出そうとしたこともなかったのですが、そのくせTwitterではそういう世界にいるひとびとと知り合ってしまって、業績を出すにはすっかり手遅れになったあとに無駄に憧れだけは立派に生やしてしまったので、せめて大学はそういう世界のものに行きたかったのです。その点で、大学の偏差値にこだわった部分は確かにあったのだと思います。

地方国立程度では高校での環境とさほど変わらなさそうで、私はそれが非常に不満でしたから、それよりも上となると東京大学京都大学あたりになります。私大は経済的に考えられませんでしたし、私自身も私大行くくらいなら浪人してでも国立行ったほうがマシだと考えてました。学費が増えると私のQoLも当然犠牲になるのでしょうから、お金はかからないに越したことはないのです。

補足

一応東大レベルの大学に行きたいというのはなんなら中学校のときからあって、ずっと暫定的な志望校として意識はしていたのですが、上記の理由でそれはだんだんと決定事項となっていったわけです。なので、具体的にいつなぜ決まったかは言えません。高1のときにはすでに学校引率の東大オープンキャンパス旅行にノリノリで参加しているので、多分そういうことです。

ちなみに、一度決心が決まると頑固な人間なので、後期の出願はしませんでした。東京大学以外に行くつもりがもうなかったんですね。いや京都大学の後期が存在していたらまた違ったかもしれませんが、それがない以上、地方国立まで落とすのは視野にありませんでした。それで背水の陣だと思って必死に勉強すればまだよかったのですが......

高2以前

怠惰で臆病な私東京大学なんて恐ろしい場所を目指しうるだけの力を手に入れるには、たぶん奇跡がだいたいふたつくらい必要でした。これがひとつだけだったら私は東京/東大行きたい欲が実体化したお化けとなり成仏できないまま赤門の前を一生漂うとかなんとかとにかくそんな感じのすごく恐ろしいことになっていたに違いありません。しらんけど。

ひとつめ

中3のとき、母の気まぐれで全国統一中学生テストなるものを受けることになりました。怠惰な私は全く乗り気ではなかったのですが押し切られ、めんどくせーめんどくせーと言いながら試験会場と家とを2往復しました。後日決勝進出権を得ただとかなんだとかで電話がかかってきたらしいのですが、はじめは詐欺かと思いました。

別に学校で成績が飛び抜けていいというわけでもなかったのでいろいろと不可解だったのですが、受験者数が少なかっただけだろうということで納得することにして、東進全額出資の東京旅行を楽しみました。「成績って金になるんだなぁ」と妙に感心した覚えがあります。あ、決勝では入賞できてません、数学がなんもわからんかったので。で、ここからが本質部分なのですが、これまた母の押しに負けて、いやいやながら東進が送ってよこした特待の招待を全部受けることになったのです。とにかく新しいことをしたがらないタイプの人間だったようで、あの数学特待ですらはじめは全く気が向きませんでした。これまじ?

数学特待というのはこれこれの条件を満たせば中学生の間の1年間だけ、東進の全ての高校数学の講座が無料になるというもので、本当は新中2/新中3しか申し込めないはずなんですけど、なぜか中3の冬から1年間やらせてもらってました。なんで......? 全統中決勝進出がよっぽど強力だったのだと思っておくことにします。これはこの件に限らないお役立ち情報ですが、東進は成績さえ見せれば細かいとこは結構ガバってくれます。

実は小学校からずっと算数/数学が苦手で、小1からして昼休みに呼び出されて百ます計算の補習をさせられてます(ただし当時の私には補習なんて概念はなかったのでよくわからないまま職員室に行ってました)し、中1でも1学期の補習に引っかかったのを帰省で回避したという最低な前科があります。しかも救いようがないことにその経歴をもってしても自分は理系だと思ってる勘違い人*3だったので、文系選択を考えないどころかずっと物理学科志望でした。よくある、大統一理論に憧れてってやつです。結局今に至るまで物理学への夢は途絶えていません(さすがに大統一理論うんぬんからは随分離れましたが)。ですから、高1の1年で高校数学を一周して苦手を払拭できたのはめちゃくちゃ助かりました。まぁ最後まで得点源にはできてないんですけどね!

一応言い訳しますと、東大志望者中で見れば数弱でも母校では数強扱いでしたのよ。あと、数学特待以降は上述のような露骨な数弱ムーヴをかますことがなくなったので、「私、理系に行って大丈夫なんだな」みたいな自信というか余裕というかが生えたのもかなり大きいです。冷静に分析すると本質部分を無視してパッチを当てただけで安心してるようにしか見えないので、根拠不明じゃんと言われれば返す言葉はありませんが。

ふたつめ

なんかよく知らないんですけど、同じクラスに全国級のプロがいて、なんかよく知らないんですけど、出席番号が隣で、なんかよく知らないんですけど、数オリ日本代表とかやってたらしいです。で、ここが一番よくわからないんですけど、私の親友をやってくれてたらしいです。奇跡というよりはバグです。住んでる世界によっては身近にプロがいることなど珍しくもないのでしょうけれど、自分にない視点や発想でコメントしてくれるプロい友人がいるとものすごく助かります。

とくに理系科目に言えることだと思うのですが、教科書に書いていない、遠くまで見通せている人でないと気づかないような発想があって、そういうところに教科書の字面を超えて物事を理解する鍵が潜んでいるのだと思います。いや、大学受験なんて所詮字面だけでどうにでもなるものではあるのでしょうけど、怠惰な私のことです、地道な努力をするというのははじめから選択肢にありませんでしたから、日常的に刺激的な話をできる友人がいるのはとてもありがたいことでした。

高2終わりの状況

東進の校舎の勧めてくれた通りに、高1で数学を、高2で理科を一通り終わらせました。理科は根拠不明の自信と塾へのネガティブな感情により、物理は完全に独学、化学は半分学校半分塾という感じになりました。この根拠不明の自信と塾へのネガティブな感情は後々まで私を苦しめるので、もし誰か読んでたら、変にビビったり逆張ったりせずにトップレベルの授業を取れるうちに取っておけと言っておきます。私はそれだけの謙虚さがなかったので大変でした。

とはいえ、うんうんそうだねと適当に頷きながら学校の授業とテストをごまかせるくらいの力はついてたと思います。化学、とくに無機化学はどうも怪しかったので、高3の頭からまじめにやり直してみようと決意します。あと、例の友人のすすめで一対一対応の演習をちまちまやってました。いやちまちまは語弊がありますね、三日坊主をn回繰り返すことで辛うじて少しずつ進捗してました。結局一周すらしてませんが。勉強という営みができなさすぎる。

ちなみに、私はどうしても世界史の授業を受けたかったのですが、その一方で世界史で受験したくないという狂った拘りもあり、ふたつが合体した結果高3の選択で世界史をとりつつ受験では地理を選択するという曲芸をやることになりました。親にはめちゃくちゃ反対されたし担任には苦笑いされましたが、知ったこっちゃありません(最悪)。

細かい話はいろいろありますが、省いて結論だけ言うと、普通に世界史受験したほうが多分点は良かったです。でもね、理系で社会科ダブル履修を成し遂げて私は満足なので、これでいいの。様々にご協力いただいた母校の地理と世界史の先生並びに関係者各位には感謝しかありません、本当に。

その他の科目ですが、国語は学校の授業くらいで適当に乗り切れるだろうと思ってハナからなにもする気はなく、英語は逆に、趣味の都合で中2くらいから否が応でも触れなければならなかった結果高2頃にはもう英語YouTubeにどっぷりって感じになってたので、当然無双するつもりでいました。時間を割かなくとも安定して高得点を出してくれる得意科目になってくれて、ほとんどの勉強時間を理系科目に使えたので本当に助かりました。英語は詳細が後述されるかもしれません。

高3

東進の東大同日受験とかいうキチガイイベントに参加させられたのですが、いくら東進の(特に英語の)ガバ採点とはいえ想像以上に出来が良かったので、「お、これは実はかなりいけるのでは?」みたいなお気持ちに勝手になってました。数学がいきなり55点の大上振れで、理科がぼろぼろにも関わらず二次合計229とかそんな感じの点を出してました。合格最低点クリアしちゃってるじゃん。余裕? 

学校で配られた化学の重問とかいうやつと格闘しようとしてぼこぼこにされます。無機化学なんもわかってないことが明らかになり、間違えた箇所を覚えようとするも脳死の暗記はやはり性に合わず無限に失敗を繰り返してました。あとは一対一の続きをちまちまやったり、新物理入門と化学の新研究を購入して本棚を受験生っぽくデコレートしたりしてました。

家にいるとTwitterばかりやってどんどん堕落していくタイプの人間なので、SARS-CoV-2くんが引き起こした休校はかなりこたえました。精神的にも相当追い詰められていて、ほとんどの日が勉強時間ゼロだったと思います。ほんと勘弁してほしいですね......

初夏に全国統一高校生テストがありまして、これは高1のときから全て受けていたのですが一度も決勝に舞い戻れたことがなく、この回でついに中3以来の決勝進出が叶いました。コロカスウイルスくんに潰されましたけどね。でもおかげで決勝で最高ランクの褒賞であったはずの Surface Pro 7 が全員に配布され、入賞する力なんて絶対ないのに大変なものをもらってしまいました。あと「論理学で学ぶ数学」というのをちょっとした気分転換にやってみたのもこの時期です。薄い読み物みたいなものなのでこの私でもやりきれました。楽しかったので軽率におすすめしておきます。

夏休みに入るまでは学校の地理選択組に追いつくべく地理の勉強をして過ごし、夏休みが始まると本格的に無機化学との戦いを始めることにしました。新研究は読んでも眠くなるだけだったのであくまでも高校範囲の目次として使い、主にインターネットを彷徨って可能な限り多くのものに触れ体系的なお気持ちを得ることを心がけました。詳細は後述しますが、この夏休みを捧げた大英断のおかげで無機化学を人並みに立て直すことに成功したので、夏休み終わり頃には結構上機嫌でした。

さて、一方で夏は最初の冠模試と向き合う時期でもあります。化学に一切期待していなかったので理科の時間はほぼ物理に費やしていましたが、それでも物理の出来はお世辞にもいいとは言えず、やや焦りがありました。あと数学はやっぱり70くらいはほしいから秋は数学をやろうなどと思ったのも夏のおわり頃のはずです。

よく考えたら先に物r普通に考えても先に物理をやるところですよね。なにやってんの?

数学をしました。インターネットの合格体験記(後述)で入試数学の掌握などというものを知り、調べたらあちこちのサイトがみんな脅してきたので念の為他人の新数学スタンダード演習を覗き込んでちょっとかじって相応の実力があるっぽいことを確認してから赤と青だけ購入しました。かなり勉強になりましたし楽しかったのですが、近年の東京大学ではあんなもので扱われてるような問題はもう出ないんですよね。とくに2021年の数学は掌握に全く逆行するようなセットでしたね、はははっ!

冬にかけては東進の過去門演習講座で数学の過去問をしました。2011年からの10年分を冬休みまでにほぼやりきりました。年によって点数の変動がひどく、数学なんてやっぱ博打なんじゃねぇか、などと思っていました。だったら理科をやればいいのに。なにやってんの?

冬模試ですが、実戦の方で数学で大爆死をやらかしてとうとう数学に愛想が尽きてしまいました。このときに掌握の青を途中で投げたはずです。もうやってらんねぇ! まぁこれは正しい判断だったと思います、あれ以上深追いしてもさほど本番の点にはならなかったでしょう。もっとも、正しいのは判断の結果であって過程ではありません。正しい過程を踏んで判断できてたらとっくに理科をまじめにやってるはずですからね。君「苑田物理興味ある~~」とか言いながら東大特進の申請いつまで先延ばしにしてんの?w

共通テスト

センター時代から東進でマーク試験の訓練は幾度となくやってきたので完全に塗り絵気分でした。化弱は結局克服できてなくてひどい点数ですが、総合点がまともなのでセーフです。

自己採点(得点調整適用済み): 

英語R 100
英語L   93
数学1   95
数学2 100
国語   179
物理  99
化学  82
地理     80
計    828 → 101.4(東大圧縮)

休憩時間中にふぁぼ稼ぎのためだけにPSPを起動したりしました。試験監督が横を歩いているところで試験時間外だからと何食わぬ顔してゲームするのは最高でしたね。みんなも Ace Combat やろうね!

 

ace7.acecombat.jp

それと、前日はその日の思いつきでEUまとめ図を自作して遊んでました。頑張って作ったので見てほしい。なお地理にEUは一切出なかった模様(割とキレました)。

 

直前期

ようやく理科を始めたらしいです。

理科の過去問を何年分か解いたところで並列してやってた東大特進の苑田物理にのめり込んでしまい、過去問演習をほっぽらかして途中からは物理をずっとやってました。集中力がなく意志も弱いので一回2時間半かかる過去問演習よりも授業のほうがハードルが低かったみたいな事情もあります。あと東進の過去門演習っていちいち校舎に提出しにいかないといけないんですけど、学校の近くの校舎に通ってたので、直前期に学校が休みになった途端通うのがクソだるくなったというのも一因です。ただでさえ昼起きの怠惰な生活をしているのに、その上答案提出のためだけに往復1時間半自転車を漕ぐ気にはなりませんよ。

そうです、だいたい13時とかに起きて25時とかに寝る生活でした。じゃあ12時間睡眠なのかというとそういうわけでもなく、布団の中でTwitterをしたり二度寝したりしてたら昼過ぎになるっていうだけですが。午後から夜中にかけてTwitterをしながら2時間から3時間ほど勉強し、日にもよりますが22時を回るとあとはほぼTwitterしかできず25時とかの就寝を待つだけ、という感じです。本当に? ツイート見返してみますか......

25時就寝とかデマ書き散らしたの誰ですか? 全くけしからんやつですね。

ちなみに春と同じように引きこもってTwitterばかりやってた割には春よりだいぶ精神状態がよかったです。これが直前期ブーストか! などと感心しながら余った気力を迷いなくTwitterにつぎ込み、あるいは崩壊した生活習慣で無駄にしてました。

最終的には、本番1週間前に理科の過去問10年分を終わらせ、苑田物理は最初から順に受けて電磁気のはじめまで到達してました。私にしてはよくやったほうですよ。電磁気はもう少し深くやりたかったけど、始めるのが遅かったので仕方ないです。どう考えても全部自分が悪いですね。

各科目の詳細と模試と得点計画

各科目の詳細

余裕ぶっこいてる英語ですが、自然言語なので普段遣いするのが一番なんだと思います。読んだり書いたりを普段からやるのはハードルが高いので、近頃のスピーキング重視にも乗っかって、音読からするといいと思います。歌詞を覚えるくらいの丸暗記でいいので流暢に音読できるまでひとつの文章を極める、みたいなことを私はよくやってました。それから学校ではなぜか教えませんが、発音記号はしっかりやったほうがいいです。日本語にはない音素や日本語では区別しない音素を、違う文字が当てられているという客観的事実ではっきりと認識/区別できるようになるので、発音を客観的に扱う手段として不可欠です。などと長々書きましたが、語学は総じて時間がかかるものなので受験生になってから時間をかけるのはおすすめしません。コスパが悪すぎます。理科をしましょう。

数学はだいたいここまでで書いたとおりです。いろいろ解いて使える技を増やしておくのは確実に役に立つと思いますが、まぁ私に言えるのはそれくらいです。

物理の独学はエッセンスを使ってましたが、個人的にはおすすめしません。悪い本ではないとは思うのですが、どうにも原理的なところの説明が不十分に感じます。根底の原理から説明してもらわないともやもやしてしまう私のような人間には向いていませんでした。いや私が初学だったから飲み込みが悪かったというだけかもしれませんが。とりあえず全人類苑田物理を受けろ、話はそれからだ。新物理入門?そんなインテリア知らないですね

ひと夏を捧げた無機化学ですが、高校の教材になんて構わずにまともな勉強を早めに始めるべきです。これは持論なのですが、無機化学は地理のようなもので、周期表は地図のようなものです。地図上の場所がわかれば先進国なのか途上国なのか、どういう文化圏でどういう歴史なのかがざっくり頭に浮かぶように、周期表上の場所がわかれば金属なのか非金属なのか、どれくらいの酸化数で安定するのかが頭に浮かぶようになる、そういう勉強をすべきです。本は「化学オリンピックに挑戦!」シリーズと、「原点からの化学 無機化学」を全力で推しておきます。特に後者は新研究を積む前に出会っていれば...... という悔しさがすごいです。いや一回Twitterでおすすめされたんですけどね、新研究買っちゃったし...... と思って探しもしませんでした。大間違いでした。あれ、もしかして私超絶自明なこと書いてる? そうだとしたら自明なことに気づくのに1年半かかるあほだったってことです。

無機以外の化学については、特に計算問題全般ですが、致命的になにもわかりませんでした。立式時の見通しがすごく悪く、簡単な理屈のはずなのになにをすればいいのか全くわからなくなることがよくありました。よほど練習が足りていないかよほどこの分野にピンポイントで頭が悪いかのどちらかです。いや多分前者ですが、私のことなので、真面目に向き合うことは最後までなく、計算があまり出ないことをただただ祈っていました。ちなみに共通テストの化学の失点はほぼ計算ですし、これは伏線です。

模試

夏模試も冬模試も間に何度か行われた東進の本番レベルもだいたいずっと200点あまりでした。うち英語が半分近くの80から100という感じでしたが、この振れ幅は予備校によって英作文の採点がかなりばらつくことに起因するものです。具体的には、河合は理由もなく0点にする(本当にノーコメントで0点にされたことがあります、許せません)一方東進は脳死で満点をつけてくる、とかです。同じ理屈で合計点も本番レベル模試が他の模試より15点くらい上で、220とかが出たりしてます。数学は20から60までまんべんなくもらう一方、理科はおおむね順調に伸び、冬の実戦では数学大爆死を補ってくれさえしました。

ちなみに共通テスト後の最終本番レベルでは数学がおどろくほど簡単になって、総合点288とかいう奇跡的な記録を出してしまい大いに慢心してました。この頃気づいたのですが、2017の数学にしろこの最終本番レベルにしろ、私は数学が易化すると易化幅よりも大きく点が伸びるらしく、数学易化にさえ当たればそれだけで受かってしまうらしいのです。実際過去問演習では2017が100点超え、続く2018も80点超えとインフレしてます。まぁ、だからなんだって話ですが。これも伏線ですよ。

得点計画

ゴミ理系なので英語で殴ります。そうですね、やっぱり90台ほしいでしょう。国語は低い方に見積もって30くらいだと思っておきます。これで国英120。あと数学と理科で60ずつ取れば240で理1は問題ありません。数学の爆死が怖いですが国英はこれでも低めの計算(少なくとも私はそのつもり)なので、よっぽどのことがない限り220を切るとかはないはずです。しらんけど。そういえばこれまだ開示どころか合否も出てないときに書いてるんですよね。下手なことは書けないなぁ笑。

二次試験

ふぁぼん先生の合格体験記の大ファンなので、当然聖地巡礼に行きました。みんなも海燕ビーフストロガノフを食べて数物上振れ祈願をしよう! でも今考えたらこれで数物下振れしたりあまつさえ落ちたりしたら本当に笑い話じゃ済みません。*4

根拠不明の自信を保つのがなにより得意なので、試験中に慌てたりとかは全くありませんでした。強いて言うなら始まる前の待機時間が辛かったです。あ、あと時代錯誤社の予想問題集がとても面白かったので、理系のみなさんは一日目はぜひ正門から入るようにしましょう。正門前の列の横で全身真っ白の怪しい人たちが配ってる怪しい冊子がそれです。ただし一日目が終わる前に開くのはおすすめしません、面白すぎて試験に集中できなくなります。

国語は比較的やりやすい印象でした。問題は数学なのですが、ビジュアルをもとにサクッと解けるような問題があまりなく、全体的に暗闇で計算し続ける感じのセットだったので、完全に不利属性で殴られた気分でした(個数弱の感想です)。一日目終了時点ではまぁ耐えたと思ってたのですが、TLをみたり冷静に思い返したりしているうちにこれはどう甘く見ても高々55とかだなという確信が生えてきて少し辛くなったりしました。易化すれば受かるとか考えても無駄です、4年連続の広義単調難化でした(個数弱の感想です)。東京大学さん?

二日目、理科で数学の分を多少取り返してやらないといけないはずなのですが、ここで思いつく限りの最悪の出題をされてしまいました。化学の第2問が理論っぽかったのできっと無機は第3問に移ったのだろうと思いながら定性的な問を全て殴り倒してやろうと意気揚々とページを捲ったところへ、上から下まで計算で埋め尽くされた第3問が飛び込んできたときの驚きは、私の文章力では到底書きつくせません。東京大学さん!?!?

その場ではもうどうしようもないことです。第2問のすぐわかる問題をつまみ食いしてお茶を濁し撤退する他ありませんでした。物理は悪くはなかったのですが第2問がなんもわからんかったために高得点とも言えず、理科でも55とかを覚悟しました。これで物理の第1問または第3問が勘違いで爆ぜてたらもう立ち直れなくなるので、結局今の今まで答え合わせも答案再現もやってません。合ってて、お願いだから。

だんだん悲愴感が出てきましたが、化学の鬼のような計算量は全体攻撃であること、英語と国語は普段どおりに得点できたことから、絶望するというような状況でもないかなぁと思います。いや、そうであってほしい。理1のボーダーは難易度に関わらず乱高下するから全体攻撃関係ないとか言っちゃいけない。国英の上振れまたはボーダーの下振れを祈ります。こいつ最初から最後まで根拠不明の自信に基づいて祈ってばっかりだな。

開示

合格

<以下、2021年4月18日追記>

国語   33
英語 102
数学   50
物理   47
化学   17
共通テスト 101.4
計  350.4

合格者最低点 333.2667
合格者平均点 360.7410

これはなんだったの?

国語は比較的やりやすかった印象でこれなんだねなるほど~~~。全然普段どおりに得点できてないじゃん。もう国語の自己評価なんて二度とやりません。

数学は思ったとおりくらいの点でしたが、化学は意外と伸びましたね。*5下駄を履かされる?みたいな概念があるらしいのですがそれに当たるかはわかりません。とはいえ素直に採点したらこうはならないと思うんですよね。10点とかを覚悟してました。10点を覚悟するような学力で受験するなというはなし。

物理は本当に苑田先生さまさまです。電磁気もちゃんと†本質†を理解していれば化学をほぼ捨てている以上50点台も夢じゃなかったはずですが、既に何度も書いたとおり根拠不明の自信と想像を絶する怠惰によってその機会を自ら潰したのでこれが精一杯です。インガオホー。

英語は正直もうちょっと上振れしてくれると嬉しかったのですが、東進以外の模試で一度も3桁乗ったことないのを考えるとこれでもかなり上振れの判定になるんだと思います。河合も駿台も採点に納得したことがなかったので100点を超えるポテンシャルは当然あると根拠もなく信じておりましたがね。こうやって根拠不明の自信が当たった例だけが記憶に残り、ますます強化されていくわけです。破滅も近い。

ちなみにドイツ語TLPに受かるなどしたのですが、TLには99点でチャイ語TLPに落ちた例とか95点でスペ語TLPに落ちた例とかがあったりしたのでたぶん私の運がよくギリギリ滑り込んだかドイツ語TLPのボーダーが低かったかです。ほら、チャイ語とスペ語は人気だから......(震え声)

 

体感は330±20かなーとかだったので全体としては上振れです。予備校の無慈悲な採点ばかり見てきたせいで本番の点数感覚が崩壊してる可能性はありますが、それにしても350もあるなんて思いませんでしたね。

もうちょっといろいろ書こうかと思ったのですが、またもや想像を絶する怠惰によって奨学金書類の締切がやばいので、ここらへんで終わろうと思います。ひとつ(いればですが)後輩に言い残すことがあるとすれば、理科を早めにやろうということです。理科を早めにやってください...... 根拠不明の自信で冷静を保つのはいいですが根拠不明の自信で後回しにするのは最悪です。私は最悪なので英語で殴って理系学部に滑り込むというカスみたいなことになりました。

<以上、2021年4月18日追記>

 

受験はカス!w

 

謝辞?

聖地巡礼の下りで挙げたふぁぼん先生の合格体験記の他に、そこでも紹介されていた2019年に一浪で合格した方の合格体験記も読んでました。一応両方のリンクを埋め込んでおきます。

yuyusuki.hatenablog.com

rouninmillion.hatenablog.com

ここからの数行は完全にふぁぼん先生の体験記のパクリそのまんまな話なのですが、お二方とも受験勉強が嫌い、量より質重視など、私の思想/性格とかなり近いものがあると感じられたので、ふとつらくなったときに読み返して精神を立て直すのに重宝しました。特にふぁぼん先生の方は文章が好きでしてこれ書いてるときも「文体に影響受けちゃってるなぁ~~~」ってなったりしてまして...... ファンレターを書く場所ではないのでこれくらいにします。それと、掌握もこれらの記事で知ったものです。本番の点につながったかどうかはかなり怪しいですが、掌握に取り組んでいる時間が楽しかったのは間違いないのでとても感謝しています。勉強は楽しくやってなんぼですからね(受かってから言え)。本当にありがとうございました。

落ちてたらもう1年お世話になってしまいますね。そうならないことを祈ります。

追記 (2021/07/03)

海燕さんのシェフがこの世を去られました。

明日7月4日に残りのボルシチスープを売り切ったら閉店とのことです。

海燕さんへの聖地巡礼受験を引き継いでくれる後輩がいたらいいななどと考えていましたし、私個人としても受験生としての記憶の中でかなり大切な場所だっただけに、知ってからこうも早くなくなってしまうのがとてもショックです。受験の日の昼を外食するという話を親にしたときは合格すればいつでも行けるからと反対もされたんですが、本当に押し切ってよかった......。合格させてくれてありがとうございます。一回行っただけで常連でもなんでもないのですが、シェフのご冥福をお祈りいたします。

みんな行きたいお店は行けるうちに行こうね!!!! Twitter ではもう一億回くらい聞いたと思うけど

*1:ks, tk

*2:nd

*3:かんちがいんちゅ

*4:2021/07/03追記 海燕さんはもうありません...... 記事の最後を参照ください

*5:Q. 17点で「意外と伸びました」とか書けるのな~んでだ?  A. ごめんなさい